咀嚼筋の走行について
咀嚼筋の走行や起始・停止って、意外とイメージが湧きにくいですよね。 そんな咀嚼筋4つの起始・停止を分かりやすい画像とともに、説明してみます。 一度見れば起始停止をはっきりと理解できるはず!
咀嚼筋の起始停止は?
起始 | 停止 (下顎骨) | |
側頭筋 | 側頭骨鱗部 | 筋突起 |
咬筋 | 頬骨弓 | 咬筋粗面 |
外側翼突筋 | 蝶形骨翼状突起 | 翼突筋窩http://okashina.net/wp-content/uploads/2017/09/2Q5NR_ef94xxe3_v1-0.jpg |
内側翼突筋 | 蝶形骨翼状突起 (翼突窩) | 翼突筋粗面 |
http://okashina.net/wp-content/uploads/2017/09/2Q5NR_ef94xxe3_v1-0.jpg
咀嚼筋の役割
顎関節(TMJ)の咀嚼に関係する筋であり、すべて下顎骨に停止する。 また、すべて三叉神経の下顎神経(V3)に支配される。 外側翼突筋を除く、3つの筋は閉口筋に分類される。 なお、開口筋は外側翼突筋と顎二腹筋の2つが代表的で、オトガイ舌骨筋や顎舌骨筋も含まれます。
収縮時に動きが少ないのが起始。 逆に、動きが大きいのが停止
側頭筋 (temporalis)
側頭窩を埋め、下顎骨筋突起に停止し、下顎骨を引き上げる閉口筋。
咬筋 (masseter)
頬骨弓から、咬筋粗面(下顎骨下顎角の外側面)を結ぶ閉口筋。
外側翼突筋 (medial pterygoid)
蝶形骨翼状突起外側板に起始し、翼突筋窩(下顎骨関節突起の前面にあるくぼみ)につく筋。 下顎骨の関節頭を前方に引く筋であり、 ・片側のみが収縮することで、下顎は反対側に向く。 ・両側が収縮することで、下顎は前方に引っ張られる。 正確には、起始は、上頭(側頭下稜)と下頭(翼状突起外側板、上顎結節)に別れます。 関節円板にも付着し、外側翼突筋の異常が起こると、顎関節に多々の異常が引き起こされます。 クリック音や顎関節痛障害には、この筋肉の操作は欠かせません。
内側翼突筋 (lateral pterygold)
蝶形骨翼状突起(翼突窩)に起始し、翼突筋粗面(下顎骨下顎角の内側面)に停止する閉口筋。 翼突窩は、翼状突起の外側板と内側板に挟まれたくぼみのこと。
参考: 顎運動に関連する筋
開閉運動 | 開口運動 | 外側翼突筋、顎二腹筋 |
閉口運動 | 咬筋、側頭筋、内側翼突筋 | |
前後運動 | 前方運動 | 外側翼突筋 |
後方運動 | 顎二腹筋、咬筋深部、側頭筋後腹 | |
側方運動 | 偏心性 | 外側翼突筋、側頭筋後腹 |
求心性 | 側頭筋後腹、顎二腹筋後腹、咬筋深部 |